こんにちは。「ドル資産運用のコンシェルジュ」米国公認会計士 (CPA) &ファイナンシャルプランナーのトクとく子です。
今日はとく子が実際に体験した米国にある日系の不動産販売会社によるセミナーのお話をします。
とく子は国内で区分・一棟アパート・マンションを所有しておりまして、国内だけではなく、米国の不動産の購入も検討していた時期があり、大変ゴージャスな日系の米国不動産販売会社のセミナー案内に興味を持ち、参加することにしました。自宅近くの有名な某日本料理店の豪華すき焼き弁当付きだったことも魅力的でした(照)
米国不動産セミナーで見たものとは?
セミナー当日、とあるオフィスビルの会議室のある階に到着すると、セミナーの部屋の前でカウボーイハットにカウボーイシャツ、ジーンズ、カウボーイブーツに身を包んだ人たちが数名たたずんでいました。すぐに、ここが会場だとはわかりましたが、、、、都内のオフィスビルで正直浮いていました。。。
部屋に入ると、真っ黒に日焼けした日本人ですが英語のファーストネームを名乗る副社長(だったと思う)おじさんが説明を始めました。普通のセミナーは、不動産会社の人が、不動産投資の優位性や、現在販売中の物件について説明し、途中または最後に参加者が質問して終わる流れか思いますが、このセミナーは、とく子が今まで参加したセミナーとはかなり違っていました。
どう違うかというと「参加者参加型」です。なんだか語呂合わせみたいですが、要するに、ただ座って聞いているだけではなく、あれやこれやと米国不動産の世界に参加者が引き込まれるような「イベント」が盛り込まれているのです。
米国不動産セミナーでの「イベント」とは?
その1:アメリカ合衆国国歌斉唱
参加者の席に置いてある資料セットの中にアメリカ合衆国の国歌の歌詞入っていて、英語と日本語両方で記載されていた。セミナーが始まるとアメリカ国歌の伴奏が流れ、全員(不動産会社の人&参加者)が起立して歌詞を見ながら全員で国家斉唱。
(とく子はこの時初めて合衆国国家の日本語訳を知りました!!)
その2:クイズショー、賞金はその場で現金バラマキ
不動産だったか資産運用だったかのクイズを出して、正解するとその場で賞金=現金が渡される。金額はどんどん上がっていき、最高額は万の単位まで!!
その3:不動産購入割引クーポンバラマキ
セミナーの最後に、英語名の日本人の副社長が割引クーポン券を気分により参加者に配りまくり。この時は「今日は気分がいいから~」と言いながら一人につき数十万円相当の割引券配布。
販売されていた米国不動産とは?
これだけでも、十分特異な感じがしますが、肝心の不動産はというと、まず、この会社が古めのアパート群(1つの建物に12室入っているものが何棟もある集合住宅でそのアパート群には名前がついている)のかなりの部分を買い取り、それをリフォームして1室単位で投資家に販売する、というスキーム。(販売時は、まだリフォーム前で、リフォーム後の物件価値を前提とした販売価格のため実質投資家がリフォーム代金も負担。)不動産投資につきものの借入も確かこの会社経由でアレンジ可能で、借入返済は、リフォーム中は元本の返済はなく金利のみの返済、リフォームが完成したら元本+金利の返済になるという、投資家にとっては優遇された融資返済計画。
リフォーム後の物件がライトアップされたイメージ写真が投影され、非常に魅力的な物件になると想像が膨らむ。(しかし、リフォーム前の現状の姿はなし)
上記のその1からその3までの演出効果により、セミナー終了時には参加者のかなりの人が個別相談の予約申し込みをしたと思われ、自宅近くに日本支社があったこともありとく子も個別相談の申し込みをしました。
販売されていた米国不動産の実態!!
家に帰ってから、物件名(アパート群名)も公表されていたので、現地の口コミでも見てみるか、とGoogle検索してみると、、、いくつもの口コミサイトでなんとそろって★5つ中1つ!!!
その口コミ内容も安全面のことがほとんどで「麻薬の販売人の巣窟」「売春行為が行われている」「女性や子連れは絶対住まないほうがいい」などなど、、、まず入居者探しに苦労しそうなものばかり。いくらリフォームして物件がきれいになったとしても、これらの悪い評判が回復するまでに数年はかかるであろうし、それまでに投資資金の回収が厳しそうと判断し、個別相談はキャンセルすることにしました。検索した情報を不動産会社担当者に伝えると、「それらをご理解いただける方にご購入いただいております。」と言われたがそんなの到底理解できない。と、ここまでが実体験。
その後、風のうわさに、この会社と連絡とれずになったとか、、、
そして、自宅近くの日本支社もいつの間にかビルの入り口にあった社名の看板が消えていました(つまり日本から撤退)。
ポイント
ということで、あまりにも奇をてらったような演出がされているセミナーや、物件がライトアップされた夜の写真のみの場合は要注意だと思います。写真できれいに見えても、建物ではなく、ライトがきれいなのかもしれません。住所がわかる場合は、Google ストリートビューで建物を見てみるとか、英語でも口コミサイトを検索してみるなどして、客観的な判断をされるのが良いと思います。
不動産会社のセミナーで聞いた情報だけをうのみにせず、自分でも客観的に調査することで不動産投資のリスクを軽減できると思います。
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