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固定資産税の全米比較とちょっと怖い話

こんにちは。「米ドル資産運用のコンシェルジュ」米国公認会計士 (CPA) &ファイナンシャルプランナーのトクとく子です。

今日は米国の固定資産税(Property Tax)の全米比較と固定資産税にまつわる怖い話についてお話しします。

日本の固定資産税

まずは、参考情報として日本の固定資産税についてさっとおさらいします。

日本の場合、固定資産税は地方税で、毎年1月1日現在の物件の所有者に対して課税され、その物件の所在する市町村に年に4回に分けて(一括も可能)納めます。土地と建物の課税標準額(*)に税率をかけて固定資産税が決まります。税率は大体固定資産税1.4%、都市計画税0.3%ですが自治体により多少変わります。

 

*土地の課税標準額は、住宅用であれば実勢価格に近い地価公示価格の約7割の評価額から3分の1に減額され、その中でも200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地といいます)は6分の1に減額されます。これは住宅用であればよいので投資用不動産でも対象となります。

固定資産税の全米比較

米国の場合は、郡や市で課税されますが、これは郡によって課税方法が様々です。支払回数も年に1回のところから4回のところまでと地域により異なります。基本的に固定資産税の額は、不動産の公正市場価格によって決まります。日本では固定資産税は3年に1度見直されますが、米国は毎年更新されます。住宅価格が毎年上昇しているため基本的に住宅価格に比して固定資産税も上がっていきます。

全米の住宅価格に対する固定資産税額(各州の中央値)の割合を高い順に一覧したのが下記の表です。

固定資産税の全米比較

州別の固定資産税

出典:Tax-Rates.org https://www.tax-rates.org/taxtables/property-tax-by-state

全米で比較した場合、住宅価格に対する固定資産税の割合は一番高いニュージャージー州の1.89%は一番低いルイジアナ州の0.18%の約10倍となっています。中でもニュージャージー州のEssex郡では、世帯収入の中央値に対して固定資産税が16.86%も占めます。これは世帯収入に対して全米で一番高い固定資産税割合となっています。また、日本人の不動産投資家に人気のテキサス州は全米で3番目に高い1.81%となっています。このように米国は州により差が大きいため、米国で不動産を所有する場合は、固定資産税の多い少ないも検討されたほうが良いと思われます。

ちなみに、日本の固定資産税税率は都市計画税と合わせて基本的に1.7%のため一見すると全米6位または7位の州と変わらないように思えます。しかし、前述したように、住宅用地の場合、その課税標準額は大きく減額されるので、固定資産税はその分低くなります。

一方で、米国の場合は、Appraisal Valueという評価額に対して課税され、これはMarket Valueという市場価格と同額という地域も多数あるため、上記の%が同じでも、固定資産税額は日本と比べて数倍になる地域も多くあります。

米国の固定資産税は、郡のサイトで調べることが可能ですので、「XXX County」「Property Tax」などのキーワードで検索して、固定資産税の目安をあらかじめ調べて、投資判断の参考にされることをお勧めします。

実録:固定資産税にまつわるちょっと怖い話

ここからは、とく子が実際にお客様から伺った、またはお客様から頂いた資料で拝見した米国の固定資産税にまつわるちょっと怖いお話です。

その1:

管理会社が固定資産税の納付を失念していたため、遅延料が発生し、その遅延料まで家賃収入から引かれていた。

管理会社が失念していたにもかかわらず、遅延料までお客様が負担することになり、さらに収支報告書(管理会社が作成る家賃と経費が一覧になっている報告書)には「固定資産税」として遅延料まで合算されて記載されているため、一見お客様が見ても遅延料まで含まれているか判別不能。

その2:

管理会社がサブリースのようにお客様に一定額を支払い、固定資産税を含め経費はすべて管理会社の負担で支払うという約束をしていたにもかかわらず、管理会社の経営不振により固定資産税が払われておらず、結局遅延料までお客様がご自身で支払うことになった。

その3:

固定資産税の納付が年4回の地域で、管理会社のミスで5回納付されていた。お客様ご自身で気づかれて、管理会社に指摘して発覚。

番外編:

固定資産税を滞納した場合、一定期間は遅延料を上乗せして支払えば済みますが、一定期間(州によって異なります)を過ぎても固定資産税を支払わない場合は、その物件は差し押さえられ、税務当局により売却されてしまいます。

 

どれもちょっと怖いエピソードですが、これらは、ご自身で固定資産税の課税通知と管理会社からの収支報告書を突き合せ、支払いの確認をしていれば避けられることかと思います。

とく子
とく子
業者に丸投げにせず、ご自身の物件の状況はオーナーとして把握していることが重要です。

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