個人の所得税

個人所得税の州別比較

こんにちは。「米ドル資産運用のコンシェルジュ」米国公認会計士 (CPA) &ファイナンシャルプランナーのトクとく子です。

今日は米国の個人所得税の州別比較についてお話しします。(今回は個人の所得税についてで、法人の所得税とは異なります。)

米国の連邦所得税(Federal income tax)で、こちらはどの州に住んでいても同じ税率ですが、一方で、州税は50州+Washington DCの51の地域でそれぞれ扱いが異なります。これは、イメージとしては日本の国税はどこに住んでいても同じ税率ですが、地方税は都道府県で異なる、といった感じです。日本でも、地域によって地方税は微妙に異なってきますが、アメリカの場合は、州により大きく異なり、以下の3つに分類できます。

  • 個人の所得税がない州
  • 所得税率が一律の州
  • 所得に対して累進課税を採用している州

では、一つずつ見ていきましょう。

所得税がない州

2022年時点で8州あります。

  1. アラスカ州(Alaska)
  2. フロリダ州(Florida)
  3. ネバダ州(Nevada)
  4. サウスダコタ州(South Dakota)
  5. テネシー州(Tennessee)
  6. テキサス州(Texas)
  7. ワシントン州(Washington)(*1)
  8. ワイオミング州(Wyoming)

これらの州では個人の所得税は課せられませんが、一方で消費税や固定資産税などは書かせられます。

*1: キャピタルゲインに対する課税のみあり

所得税率が一律の州

2022年時点で10州あります。

  1. コロラド州(Colorado)
  2. イリノイ州(Illinois)
  3. インディアナ州(Indiana)
  4. ケンタッキー州(Kentucky)
  5. マサチューセッツ州(Massachusetts)
  6. ミシガン州(Michigan)
  7. ニューハンプシャー州(New Hampshire)(*2)
  8. ノースカロライナ州(North Carolina)
  9. ペンシルバニア州(Pennsylvania)
  10. ユタ州(Utah)です。

*2: 利子・配当所得に対して一律の税率、給与所得に対しては課税なし

これらの州では、個人は課税所得額にかかわらず、一定の率で所得税が課せられます。

所得に対して累進課税を採用している州

上記以外の32州とワシントンDC(District of Columbia)のです。

以下の図は全米の個人の所得税率を州別に表しています。

  • 一律の税率の州:所得税率
  • 累進課税の州:最も高い所得税率
  • グレー&ストライプ:所得税がない、または一部の所得のみ課税される州

Individual income tax rates by state

出典:https://taxfoundation.org/state-income-tax-rates-2022/ (Tax Foundation)

最高税率が10%を超える州は、カリフォルニア州(13.3%)、ハワイ州(11.0%)、ニューヨーク州(10.90%)ワシントンDC(10.75%)、ニュージャージー州(10.75%)です。一方、最高税率が最も低い州(所得税がない州除く)は、ノースダコタ州(2.9%)です。

まとめ

このようにアメリカは州により大きく税率が異なります。投資用不動産からの家賃収入は物件所在地の州の税法により課税されるため、一見すると上記の図の州の所得税がない、または低い州に物件を所有するのが経費を抑えられるように思えます。しかし、所得税がないまたは低い場合、州の税収はそのほかの課税により賄われるため、固定資産税率や消費税率が高い場合もあります。そのため、所得税率だけではなく、不動産投資の場合は固定資産税率も考慮して、総合的に判断することが必要です。

なお、固定資産税の州別の分析はこちらのコラムをご参照ください。

とく子
とく子
所得税、固定資産税率、消費税などは州によりすべて税率が異なります。投資用不動産からの家賃収入に関する米国内での税金は、これらを総合的に比較検討することが必要です。

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