海外口座を持つ人必見!FBARとFATCAの違い

こんにちは。「米ドル資産運用のコンシェルジュ」米国公認会計士 (CPA) &ファイナンシャルプランナーのトクとく子です。

米国市民や米国居住者が海外口座を持つ場合、FBARとFATCAという二つの金融報告を知っておく必要があります。 今日は、そのFBARとFATCAについてお話しします。

FBARとは?

FBAR (Foreign Bank Account Report) は、米国市民や米国居住者が海外に持つ金融口座の報告義務を定めた規則です。具体的には、年間を通じていずれかの時点で海外口座の合計残高(複数口座がある場合は複数口座の合計)が10,000ドルを超える場合、FBARの報告をする必要があります。この報告は、米国財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に対して行われます。

FATCAとは?

FATCA (Foreign Account Tax Compliance Act)は、米国市民や米国居住者が海外で持つ金融資産をIRS(米国内国歳入庁、日本の国税庁に相当)に報告することを義務付ける法律です。

FBARとFATCAの違い

FBARとFATCAは共通点も多いですが、いくつかの重要な違いがあります。FBARは主に金融犯罪の防止を目的としていますが、FATCAは税収の確保を目的としています。

 

FATCA FBAR 比較表

項目 FATCA (Form 8938) FBAR (FinCEN Form 114)
報告義務者 報告基準を超える額の外国金融資産を保有する特定の個人と国内の特定の事業体
特定の個人:米国市民、居住外国人(永住権を持つ外国人)、および特定の非居住外国人国内の特定の事業体:特定の国内法人、パートナーシップ、および信託
報告基準を超える額の外国の金融口座を保有する米国の人々(米国市民、居住外国人、信託、遺産、および国内の事業体)
報告基準(資産総額) 米国内居住者:
独身&夫婦別申告者:年の最終日の資産総額が$50,000超、または年内に$75,000超
夫婦合算申告者:年の最終日の資産総額が$100,000超、または年内に$150,000超米国外居住者:
独身&夫婦別申告者:年の最終日の資産総額が$200,000超、または年内に$300,000超
夫婦合算申告者:年の最終日の資産総額が$400,000超、または年内に$600,000超特定の国内企業:
資産の総額が税年度の最終日に$50,000超、または税年度中に$75,000超
金融口座の総額が年中に$10,000を超
(注: 2つの口座の合計残高が一時的に$10,000を超える場合、両方の口座を報告する必要あり)
報告の対象となる資産の最高額 特定の外国金融資産(外国金融機関の金融口座および特定の外国非口座投資資産を含む)の最高額

年最終日の為替レートにて米ドルに換算し、米ドルで報告

外国に所在する金融機関の口座の最高額

年最終日の為替レートにて米ドルに換算し、米ドルで報告

提出期限 年次申告書に添付し、その申告書の提出期限(適用される延長期間を含む)に準ずる 4月15日までに受領(6か月の自動延長が10月15日まで)
提出方法 税務申告書の提出指示に従う FinCENのBSA E-Filing Systemを通じてオンラインで提出
(税務申告書とは別に提出)
罰金 最大$10,000、IRSの通知後30日ごとに$10,000追加、最大$60,000 (刑事罰適用の可能性) インフレに応じて年次で調整
非故意の場合最大$10,000、故意の場合口座残高の50%または$100,000のいずれか大きい額(刑事罰適用の可能性)

参考サイト:IRSのFBAR・FATCA比較ページ 

適切な報告の重要性

FBARとFATCAの報告義務を怠ると、厳しい罰則が科される可能性があります。罰金だけでなく、最悪の場合は刑事罰が科されることもあります。したがって、米国人、

米国居住者が海外口座を持つ場合は、これらの報告義務を理解しそれに従うことが重要です。

まとめ

海外口座を持つ米国市民や米国居住者にとって、FBARとFATCAは避けて通れない報告義務です。それぞれの違いを理解し、適切に対応することで、将来的なトラブルを避けることができます。具体的な手続きや詳細な要件については、専門家に相談することをお勧めします。

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